「繋がりとご縁を大切にする」 日本アイ・ビー・エム株式会社 園部哲久 《OBOGインタビュー》

1985年にアイセックに入会した園部哲久[そのべてつひさ]さん。アイセックで3年次に委員長を務め、4年次には休学してアイセックのインターンシップに参加されました。そのように多様な経験を積まれてきた園部さんに、学生時代から現在までのご経験を伺い、そして今後の展望についてお話しいただきました。

――現在のお仕事について教えてください。

  
1990年に入社し、以来28年間日本アイ・ビー・エム株式会社(以下IBM)に勤めています。転職が一般的になりつつある今のご時世、珍しいケースかもしれませんね。金融業界を中心に、製造業や流通業、官公庁等の幅広い業種のお客様に対して営業活動を行っています。コンピューター会社の営業といっても想像しづらいかと思いますが、IBMの場合は、会社の情報システムを中長期の視点でどのように進化させていくかということを提案する、コンサルティングに近い活動を行っています。お客様のご要望を聞き、それに合わせたソフトウェアやハードウェア、ソリューションをご提供していきます。
 2001年に9.11が起こった時はちょうどニューヨーク勤務で、当時私はニューヨークに進出している日系金融機関の営業を担当していました。色々なIT機器があのWorld Trade Centerビルに入っていたのですが、なくなってしまったシステムやプログラムを事業継承のために復旧してほしいというご依頼が集中しました。古い機械を導入しているお客様には、世界中から同様の中古機を取寄せてバックアップ・データから復元する作業などを行いましたが、限られた時間の中で色々な価値観や優先順位を考えながら仕事をすることは、学生時代のアイセックでの活動が活きていたのではないかと感じています。入社してから現在まで様々な部門に携わりました。最初の5年間はシステムズエンジニア(SE)の部門に所属し、その後は営業活動に従事しています。

――現在の会社でのご勤務を選ばれた理由を教えてください。

現在の会社への勤務を決めたのは、エンジニアや研究者、専門職は自分には向かないなと思い、漠然とグローバルな環境で営業職に就きたいと感じていたからです。私は、学生時代にIBMで週末バイトをしていて、コンピューターのハードディスクを製造する工場に勤めていました。学生のバイトに対しても、研修で会社の理念や仕組みなどの講義を行っていることにとても好印象を受けました。そうした出会いがあったことと、企業説明会の時の対応の柔軟性や斬新さに惹かれました。そうしたご縁を感じ、入社を決めました。

 

――園部さん自身が感じるお仕事のやりがいとはどのようなものですか。

IBMは全てBtoBの事業内容なので、企業のお客様に向けて何年もかけて提案して受け入れていただくことがやりがいというか、営業の醍醐味だなと感じています。そうして時間をかけ、困難を乗り越えた後、IBMの提案を受け入れていただける時は本当に嬉しいですね。

――お仕事をされる上で、心がけていることを教えてください。

  IBMの提案を受け入れていただいた1年後に「IBMに決めてよかった」と言っていただけるよう心がけています。またIBMの提案を受け入れていただくことで、お客様の仕事がどのように変化するのかを分かりやすく明示すること、そのためにも色々な切り口で比較することを心がけています。

お仕事のお話をされる園部さん

お仕事のお話をされる園部さん

――アイセックではどのような活動をされていましたか。。

  1年生の時には、アイセック・ジャパンの25周年式典の一環として、首都圏セミナーの運営委員を担当しました。「人と心の国際化」というテーマの下、外部講師を5~6名招聘し、日本人のマインドを維持しながらどのように国際社会へ順応して行けるのかについてパネルディスカッションなどを行いました。当時の実行委員長で、同じアイセック青山学院大学委員会の栗栖さんや同期の仲間達とは今でも親交があります。
  2年生の時には、アイセックの活動ではないのですが、総務省主催の「東南アジア青年の船」というプログラムに参加しました。当時ASEANに加盟していた6カ国を2ヶ月かけて日本丸で巡り、今後の東南アジアや日本の展望、国際関係について議論し合う時間はとても有意義でした。3年生の夏から4年生にかけてアイセック青山学院大学委員会の委員長を務めました。委員長に立候補したきっかけは、私自身が4年生でアイセックのインターンシップに参加することを決めていたこと、また2年生の時に、当時の同期の委員長のサポート役をしていたので、せっかくなら3年生で委員長を務めようと思いました。
  アイセックは未だに不思議な団体だなと思います。非営利であり、学生の学生による学生のための団体であることには変わりはないですが、主幹事業は変遷している。捉えどころがないが、人それぞれによって捉え方が違う自由な団体だなと思いますね。

――アイセックのインターンシップではどのようなことをされていたのですか。

英語圏を希望していたので、4年生の夏からオーストラリアへ6ヶ月渡航しました。漠然とグローバルに活躍するということに憧れていたことが、インターンシップ参加の決め手でした。

オーストラリアでインターンシップに参加されている園部さん

オーストラリアでインターンシップに参加されている園部さん

メルボルンのマーケットリサーチ会社でインターンシップに参加したのですが、具体的な業務内容としては、オーストラリアに進出している日本企業の販売責任者名簿を作り、その名簿を日本企業との取引を希望する現地の企業に販売するというものでした。ひたすら担当者に電話をしてコンタクトを取り、800社程度のご担当者の連絡先をリストにしました。
 アイセックのインターンシップで印象的だったのは、色々な国の人々と生活を共にする、共に働くという経験ですね。当時出会った友人とは、今でも直接会ったり、クリスマス・カードを送ったりなど交流が続いています。

――社会人になって活きたアイセックでの経験があれば教えてください。

  ITの価値や進化のロードマップ、将来像など、非常に抽象的な概念を可視化してお客様へ説明し、ご理解いただく様な場面が多いので、学生時代にアイセックの仲間と企画の狙いや効果など漠然としたテーマで喧々諤々と議論した訓練が今でも活きていると思います。またそうした訓練を受けた学生が社会に出て行くことで、自分のエゴだけでなく、互いのため、みんなのため、将来のためを考えて話し合っていく、ゆくゆくは世界の発展や秩序の維持に貢献することにも繋がると思うのでそうした経験を積めることがとても重要だと考えています。
国籍や学年を問わず今でも繋がりのある仲間を得られたことはとても大きいですね。そうしたご縁を繋ぐために、日本IBMにおいてアイセック青山学院大学委員会のOBOG会とは別に、日本IBMアイセックOBOG会を行っています。入社した年度や出身大学が違ったとしても、集い、空間を共有できるところがすごいところだなと思います。

――現在の会社で開催されている、アイセックのOBOG会について教えてください。

毎年2~3人アイセック出身の新入社員が入ってくるので、春に歓迎会、秋には新人研修の終了祝賀会を兼ねてみんなで集まっています。転職した方もその会合には来てくれるので嬉しいですね。始めてからかれこれ10年近くになり、総勢30名以上の元アイセックメンバーin IBMが見つかり、出身大学ならではの思い出話に花を咲かせています。

――――アイセックの掲げている「リーダーシップ」とはどのようなものだとお考えですか。また園部さん自身はどのような目標を掲げていらっしゃいますか。

明確な目標やビジョンを掲げ、それに向かっていく空気を率先して作る、うねりやエネルギーを生み出せる、継続して発信し続けられることだと思います。目標やビジョンを達成するためにやり続ける継続性や情熱が大事だと思います。
自分の目標は余り多くないのですが、会社での目標とその後の目標なら2つあります。会社での目標としては、IBMという会社のDNAを継承する活動を若手社員と一緒に続けて行く事です。入社10年以下の若手有志社員と定期的に勉強会を開いています。その後の目標としては、引退したら、ネットワークツールや地域社会の接点などを通して、世の中で孤独に老後を過ごされている方々のお手伝い、生活面でのご支援が出来るような仕掛けなりコミュニティ活動が出来れば良いな、と考えています。

――学生に向けてメッセージをお願いします。

自ら率先して自分の殻や気持ちの安全圏から外に踏み出して、自分の知らない世界に身を置くチャレンジをしてほしいですね。居心地のいい環境に身を置くことは楽ですが、学生だからこそ色々なことに挑戦して失敗を重ねてほしいなと思います。

2018.10.30