「自分の感じた「違和感?」を大事にすること」――味の素株式会社 小幡重人 《OBOGインタビュー》

2000年にアイセックに入会された小幡重人[おばたしげと]さん。グローバルに展開している会社にお勤めの小幡さんが考える、これからの社会で生き残るために必要な力、そしてご自身が大切にされているモットーについてお話を伺いました。

――自己紹介をお願いします。

  青山学院大学経済学部に所属していました、小幡重人です。2002~2003年にアイセック青山学院大学委員会で委員長を務めていました。

――現在のお仕事について教えてください。

  
2004年に味の素㈱に入社後、九州で6年、大阪で4年とスーパーや卸店さんへの家庭用商品の営業を10年していました。毎日営業車に乗って、スーパーの本部や店舗、そして帳合である卸店に通い、「ほんだし」や「クノールカップスープ」、「COOK DO」等の当社商品の販促や売場作りの商談をしていました。10年間で、私を育ててくれた「人」達との出会いに感謝の気持ちでいっぱいです。
その後、2年の本社海外食品部に勤めた後、2016年の8月から台湾・台北に赴任しています。主に、外食店や家庭用向け商品を担当しています。台湾では、創業直後の1910年から事業展開をしており、100年以上もの長い間、台湾のお客様にご愛顧いただいています。この歴史の重みとお客様との関係を大事にしながら、毎日仲間と一緒に仕事をしています。
 台湾には、たくさんの美味しい「食(小龍包、牛肉麺、麺線、果物、カキ氷・・・)」があり、人情味のある「人」たちがたくさんいますので、皆さん是非台湾にお越しください。

――どうして今の会社を選ばれたのですか。

私は、帰国子女だったために海外志向が元々強く、当時から海外赴任が出来る日系企業を探していました。味の素は、海外展開に積極だった点と面接を通して出会った社員の方々がキラキラしていた為、「人」に惹かれ選びました。

 

――お仕事をする上で大切にされていることを教えてください。

「違和感」を大切にしています。私は直感を大事にしていて、何かに違和感を覚えたら、そのままにせずメモをするようにしています。「違和感」は大抵、直ぐに忘れたり、そのうち慣れて感じなくなりますが、あとで大きな問題になったり、チャンスに化ける事があるので、大事にしています。
海外で働いていると多くの場面で「違和感」を覚えますが、文化や価値観の違いにビジネスチャンスがあったりするので、そのチャンスを見逃さないように心がけています。

――学生時代はどんなことをされていましたか。

ゼミなどには所属せず、アイセックで活動していました。ある程度の英語ができたこともあり、グローバルというだけではなく、グローバルとビジネスが融合したアイセックに興味を持ち、新歓時に出会った先輩に惹かれ入会しました。1年生、2年生では外部関係局に所属していて、3年生の時に委員長を務め、4年生の時には再度外部関係局に所属しました。たくさんの学生や社会人に会い、お話し出来る事に新鮮な魅力を感じていました。
 委員長の1年間は「最高の背伸び」の年でしたね。自分の器以上のことを考え、やらなければいけなかった事はとても良い経験でした。そんな駄目ダメな私を支え、一緒に活動してくれた当時のメンバーは、今でも私の大切な宝物です。

当時の執行部の方々と活動されている小幡さん

当時の執行部の方々と活動されている小幡さん

――アイセックに入会してよかったこと・今のお仕事に活きていることがあれば教えてください。

よかった事は、国内外問わず、たくさんの仲間ができたこと・人と繋がれたことだと思います。例えば、当時、アジアのアイセックメンバーが集まる国際会議に参加した時に出会った台湾のメンバーとは、ここ台北で家族ぐるみの付き合いを今でもさせてもらっています。
 今の仕事に活きている点は、常にありたい姿と問題意識を持ち続ける事です。
委員長を務めたのは、当時の委員会に対する問題意識があったからですが、その課題に対して、みんなで解決するプロセスを踏めたことも大きな経験でした。抱えていた問題意識は、入会したメンバーが1年もするとその多くが辞めてしまうことでした。何故こんな事が起きているのか?期待と実際の活動とのギャップに問題があると思っていました。
 そのため、新歓の方法や伝えるメッセージを変えました。入会希望の新入生全員に直接会って話をする場を設け、アイセックの実際の活動内容と新入生の期待とのミスマッチを無くす事に努めました。そしてせっかく入会してくれた新入生は「絶対にワクワクさせてやろう」、そんな心意気で活動していた結果、当時入会してくれた多くの新入生が残り、その後も活動してくれた事がとても嬉しかったです。今でもとっても大切な仲間です。当時は、「我々はファミリーだ」なんて、言っていましたね。

――もし学生時代に戻るとしたらどんなことをしたいですか。

留学かアイセックの海外インターンにいきたいなと思います。もっと語学力と財務知識等のスペシャリティーを身につけておきたかったです。海外勤務志望であったので、グローバルなフィールドビジネスをするには、ある程度の語学力とスペシャリティーが必要ではと思います。これがないと恥をかくし、お客様や仲間に迷惑をかけてしまいます。
もっと外へ出て、自分の実力の無さ、足りないものを痛感する場をもっと取りに行きたかったです。アイセックのインターンへの参加意義もそこにあるのではないかと、考えています。6週間~3ヶ月の短いインターン期間で何を感じ、何を生み出せるのか、変革できるのか。いい意味でも悪い意味でも「己の現状を知ること」が重要だと思います。

――今後グローバル化が進む社会で必要なことはなんだと思いますか。

年功序列で出世できるような時代ではなくなる。だからこそ、「自身のありたい姿は何なのか」「現状の自分は今どれくらいなのか」「理想と自分のギャップはどれくらいで、それを埋めるには何をすべきなのか」これを考えることが、生き残る上で必要だと思います。色々な国の人々と仕事をする中で、敵わないことが多いですが、そこで負けるつもりもないので、常に自分と会社の成長を目指して行きたいです。尊敬する先輩に、『日本人駐在員は、狂気的な努力ができないのなら部下はついてこないぞ。』と教わりました。その努力の1つの形として、現地習得が挙げられます。現地語を身につける事は、現地の方へのリスペクトを示すことになり、コミュニケーションも当然円滑になっていきます。

――小幡さんの考えるリーダーとはどのような存在ですか。そうしたリーダーになるためにどのようなことを心がけていますか。

自分の感性や自分の感じた問題意識・違和感を大事にすること、そしてそれを仲間に共有できる人がリーダーだと思います。個人の問題意識や想いでは、人は動かないし、物事を変えられない。傍観者ではなく、ありたい姿と情熱を持ち、周りの人を巻き込んでいく人、前向きな姿勢が必要だと思います。

――読者に向けたメッセージをお願いします。

貴重な大学4年間を、自分の世界を拡げることに使ってみてはどうでしょうか。まずは、外に出てみてほしいです。海外に行くもよし、社会人と会うもよし。それを通じて、「この人みたいになりたい」、「自分はまだまだ足りない」といった感覚を大事にしてほしいです。それがその人の人生の価値観に繋がると思うし、そうした出会いの場を自分から見つけていってほしい、作っていってほしいと思います。この時のご縁を大切にできている事が自分にとっては宝物です。

2018.02.13