「世の中に感動体験を生み出したい」アイセックを経てグロービスへ  ――株式会社グロービス 芹澤太一《OBOGインタビュー》」

2005年度の委員長を務められた芹澤太一 [せりざわたいち]さんにお話を伺いました。大手家電メーカーに就職された後、現在は株式会社グロービスにお勤めされています。芹澤さんにとってアイセックで得た経験が今にどう活きているのかについてお話していただきました。

—自己紹介—

――自己紹介をお願いします。

 2003年に青山学院大学国際政治経済学部に入学しました、芹澤太一[せりざわたいち]です。学生時代は主にサークル、バイト、勉強の3つを主に行っていました。2007年に家電メーカーに入社し、そこで9年間、マーケティング系の仕事をしていました。今はグロービスという会社で仕事をしています。

—学生時代について—

——学生時代にどんなことをされていましたか。

アイセックに所属していて、大学生時代の時間の半分はアイセックに注いでいました。学生の時には、学内、学生同士のコミュニティにとどまることなく、必ず大人や社会人と関わることを意識していましたね。特にアイセックでは企業の方とお話する機会が多くありました。社会人になって活きるであろう経験を多く積むことを重視していました。

——自分の成長の糧になるような経験をしたかったとのことですが、アイセックへの入会動機は何でしたか。

 その当時の入学者向けのパンフレットを見た時に、掲載されていた女性の国際公務員の方がカッコよく、その方に惹かれ、その方の所属していたサークルを見たところ、それがアイセックだったのが入会のきっかけです。かっこいい、イケてる社会人になりたいなというのは感じていました。ロールモデルの方がいたので、この人の辿った道を歩めばかっこいい社会人になれると考えていました。

——アイセックでの経験は芹澤さんにとってどのようなものでしたか。

 社会に求められている人材は、今も昔も「自分の頭で考えて、実行に移せる」人材だと思っています。僕はアイセックでそうした経験をしてきたので、「自分の頭で考えて、実行に移せる」、いわば自走することができるようになったのだと思います。僕自身が委員長を務めていた時代の経験が大きかったように思います。当時の現状を踏まえ、課題を策定し、それを解決するためにチームやメンバーをどう動かすか、メンバーとどう向き合うかを考える、また自分たちがどういうことをやるべきなのか、果たしてそれは世の中の人に価値を生み出せるのかを考えるといった能力は、他のサークルではなかなか身につかないのかなと考えています。

——アイセックに入っていたからこそ得られたものはなんですか。
 自分が心底やりたいと思えるもの、「志」が見つかったことですね。それは何かというと、世の中の人に対して、感動体験を生み出したいんだということです。アイセックで活動していると、海外学生が来日し、日本の企業へのインターンに参加した時、「すごく感動した」「すごくいい経験だった」と言ってもらえることがあります。その瞬間に自分のやりがいを強く感じました。「世の中に感動体験を生み出したい」という想いが1社目、また現在の仕事を選んだきっかけになりました。「社会に対して、人の心を動かす瞬間を創りたい」という、自分の人生における軸を作ってくれたのがアイセックだと思います。

—お仕事について—

――現在のお仕事について教えてください。また家電メーカーから現在のお仕事に転職された経緯についても併せて伺いたいです。

 グロービスというのは25年前に日本屈指の企業家である、堀義人さんが作られた会社です。
グロービスは「ヒト、カネ、チエ」の3つの事業を行っており、「ヒト」の事業に関しては人材教育、「カネ」の事業についてはベンチャーキャピタルという形で行っており、投資を行うだけでなく、経営の教育サポートまでする日本初のベンチャーキャピタルを設立しました。「チエ」の事業というところでは、本を出版することで情報提供を行う、また世の中に対して、例えば「こういうビジネスが流行っていますよ」といった情報発信を行っています。
 大学生の時に、何事にも挑戦したいという資質が備わりました。自分にたくさんの感動体験を与えてくれた家電メーカーで、その資質を試したいと思い就職しました。家電のメーカーというのはデジタルトランスフォーメーションが早い、要は移り変わりが速い業界で、その中でたくさんのチャレンジをさせてもらいました。しかし、その会社でのチャレンジが一巡し、次に新たなチャレンジをしてみたいという気持ちが強くなりました。また、社内の中で一定の活躍をしていましたが、自分の能力不足を痛感し、自分にもっと力があればより会社に貢献できたのではないかと強く感じることがありました。そうした自分のように悔しい思いをしている人はごまんといると感じ、そうした人々に対して教育の機会を提供すれば、もっとワクワクとした人生歩める、自分のように苦労する人間は減るのではないかと考え、社会人に対して能力開発を支援するグロービスへ転職するチャレンジを行いました。

――現在のお仕事のやりがいについて伺いたいです。

 世の中の誰でもいいので、心を動かす瞬間を創りたいと考えています。いわゆる「感動」みたいな体験を生み出したいです。グロービスでは教育の機会を提供しているので、そこで学んだことによって「こんなことができるようになりました」といったような人の心を動かす瞬間を作ることにやりがいを感じています。

――そんなやりがいがある一方で、お仕事をされる中で大変なこともあるかと存じます。具体的にどんな困難に直面しましたか。

 世の中は急速なスピードで変化しています。能力を常に鍛え続けないといけないことはある意味プレッシャーであると思います。ただ能力開発を続ける厳しさは、僕にとっては一種の「筋肉痛」のようなものだと思っています。それは、能力開発をしているからこそ、あるいは自分に足りない部分を知っているからこそ感じることのできる大人の筋肉痛(笑)であり、それはつらくもあり楽しくもあるものかなと思っています。

——仕事に対するモチベーションはなんですか。

 僕にとっての仕事に対するモチベーションは『お客様の心を動かすこと』です。「この商品いいね」や「とても感動した」など、世の中やお客様が心を動かす瞬間を作り出せた時に一気にモチベーションが上がりますね。

——仕事をする上で意識していることを教えてください。

 大きく2つあって、1つは必ず実行まで移すことです。批評や批判することは簡単だが、実行することはとても難しいことであり、実行されないと意味がないと考えているからです。もう1つが「相手の期待値を絶対に超えること」です。例えば相手が100点を期待しているのであれば、必ず120点、150点で返すことを意識していますし、それは社内に対しても世の中に対しても共通して言えることだと思います。期待されている100点からのプラスの20点、50点っていうのは自分なりの付加価値だと思っているので、そこは相手が誰であれ、またどんな仕事であれ、必ず意識し実行しています。

—リーダーとは何か—

——先ほど、芹澤さんの大学生当時、社会では「自分で考え行動する、実行する」人材が求められていたとのお話を伺いましたが、今社会で求められている人材はどんな人材だと考えていますか。

 基本は変わらないですね。世の中が変化している中で、その変化にどう対応していかないといけないのかという答えを出せる、また実行できるというこの2つの要件は今も昔も変わらないと思います。ただスピード感というものは全然変わってくると思います。今、社会はものすごい勢いで変化しているので、それに順応する、リーダーシップのテクニカルな部分は鍛え続けないといけないと思います。

——リーダーシップとはどんなものであるとお考えですか。また理想的なリーダーとはどんな人のことをさすとお考えかも併せて伺いたいです。

 2つあると考えていて、まずは「答えを出す、決める」力が挙げられると思います。例えば、AとBという選択肢があった時に、どちらの選択肢を取るかを最終的に決める力です。2つ目は、その出した答えを確実に完遂する「実行する」力だと思います。シンプルですが、これに尽きると思います。
 また理想的なリーダーは、能力面以外でいうと、ものすごく前向きであることが重要だと考えます。例えば、何をしていても、この活動は果たして意味があるのかなぁ、とか、やっていて辛いことってありますよね。ただ、リーダーはそこに同調するのではなく、メンバーを前向きにする、鼓舞することが大事だと思います。自分ができているか、と言われるとまだまだ課題は多いのですが、とにかくアホみたいに前向きにやっていきたいと思っています。

——現在、アイセックでは志の獲得がリーダーになる要素としてあげられています。芹澤さんにとって”志”とはどのようなものですか。

 「自分みたいな経験をしている人間を1人でも減らしたい」と思っているのが、僕自身の志です。家電メーカーに勤めていた時に、自分にもっと能力があれば、事業がうまくいかず撤退することや商品が出回らなくなることはなかったのではないかと思っています。なぜそれが起きてしまったのかを考えると、やはり自分の能力不足でした。今でも当時を振り返ると、自分にもっと力があればと歯がゆい、苦い気持ちになりますね(汗)。
 僕のように、自分の能力不足のせいで苦しんでいる人を1人でも減らしたい。そうした人たちに手を差し伸べる場がグロービスだと思っています。自分の本当にやりたいものを問い、探す場、そのやりたいものを実現するのに必要な仲間を作れる場だと考えています。
 苦労をする人、苦い思いをする人が1人でも減り、そうした人々が活躍することによって、世の中に感動が生まれていく生態系を作っていきたいです。

——最後にメッセージをお願いします。

 僕自身の経験から、アルバイトでもサークルでも恋愛でも、死ぬほど考えて行動する経験を1つやることが人生をきっと良くすると思うし、「これ以上辛い経験はない」と思えるくらい全力でやるのが大事だと思います。何か1つ、僕は大学生活でこれをやりましたと、自信を持って言えるものにチャレンジしていってほしいです!!

2017.11.20