「よりグローバルに活躍できる人材に」——株式会社日立製作所 岡本 歩 《OBOGインタビュー》

青山学院大学入学以前から海外への関心が強く、アイセックで活動していた当時は中国へ自身が赴くなど、精力的に活動されていた、岡本歩[おかもと あゆみ]さん。現在はビジネスにおいて、中国に関わりグローバルにご活躍されています。なぜグローバルな人材を目指すようになったのか、そして今後どのような展望をお持ちなのかを伺いました。

——自己紹介をお願いします。

  
 2007年に青山学院大学文学部英米文学科を卒業しました、岡本歩と申します。アイセックでは、1年次にチャイナプログラムというチームに入り、アイセック中国大陸支部の活動支援をしていました。具体的には、春期休暇と夏期休暇の2回、スタディツアーで中国に赴き、日本でのインターンシップを希望する中国人学生の面接を行ったり、日本人学生を受け入れて下さる日系企業を探したりしました。2年次は受け入れ事業局で活動し、保育園を経営している会社の企業担当として、3人の外国人インターン生の受け入れのサポートを行いました。3年次には大学の交換留学で中国天津にある南開大学に1年間留学し、留学中にアイセック天津南開大学支部の立ち上げに携わりました。

2003年アイセックのインターンシップで受け入れたハンガリー人とカザフスタン人のインターン生と。

2003年アイセックのインターンシップで受け入れたハンガリー人とカザフスタン人のインターン生と。

 

——中国への留学を決めた理由を教えてください。

  
 英米文学科に入学したため、元々は英語圏に留学したいと考えていたのですが、アイセックの活動を通して中国の優秀な学生と関わる中で、彼らから学ぶべきことが多いと思い、中国留学を志しました。また中国の発展状況を見て、ビジネスチャンスが拡大していくと感じたことも留学を決めた理由の一つです。当時は中国語が全く話せませんでしたが、グローバルに活躍したいと思っていたので、将来チャンスを掴めるように自分にできることを増やそうと思って
いました。

——アイセックに入会しようと思ったきっかけを教えてください。

 アイセックの新歓に参加した際に、外国の学生と関わりグローバルな活動ができるというだけでなく、自分にはなかったビジネスという観点に触れることができると感じ入会しました。1年生の夏休みに、先輩からチャイナプログラムのスタディツアーに参加しないかと声をかけていただきました。正直、中国に行く最初で最後のチャンスと思って参加を決めましたが、これをきっかけに中国と関わるようになったことで、後々の中国留学につながったので、まさに人生を変える経験になりました。(笑)スタディツアーで出会ったアイセックの中国メンバーがとても優秀で、それに刺激を受けました。当時中国人学生はビザの取得が難しく、海外に行く機会も少ない中、中国国内で努力し英語や日本語を身につけている姿を見て、中国や中国人に興味を持つようになりました。
今でも当時のメンバーとの関わりがあり、先日も上海支部のAlumniと会いました。当時ともに活動していたメンバーがグローバルに活躍している話を聞くとまた刺激を受けます。だからこそ、学生の皆さんにも今ある人脈をぜひ大切にしてほしいですね。

2017年に上海で開催されたAIESEC in Mainland of China 15周年記念式典にて、天津南開大学支部のAlumniと。

2017年に上海で開催されたAIESEC in Mainland of China 15周年記念式典にて、
天津南開大学支部のAlumniと。

——アイセックのインターンシップに参加したということですが、どのようなインターンシップ内容で、どのようなことを学ばれましたか。

 2ヶ月間ポーランドの高校を回り、英語教育の一環として異文化を教えるという教育系インターンシップでした。ポーランドでは、ポーランド人の高校生やアイセックメンバーの他にも、ヨーロッパ各地から来ている留学生とも知り合うことができ、日本にいたら出会えなかったような人たちと話ができるというのも意義深かったですね。身近な人と話すことで学ぶこともたくさんありますが、全く異なる価値観の人と話すと、最初はカルチャーショックを受けるかもしれませんが、それを理解し許容することで、自分の価値観や考え方に影響を及ぼし、自分の考えに柔軟性も持てるのではないかと思います。

——アイセックで活動した中で印象に残っていることはなんですか。

 印象に残っていることがありすぎて悩みますね。(笑) 中国留学中にアイセック天津南開大学支部を立ち上げたことは思い出深いです。当時は英語も中国語も上手ではありませんでしたが、メンバー集めから始まり、中国の国内総会に新しいメンバーと一緒に参加して仲間を増やし、活動の輪を広げていきました。自分が渉外をした企業で初めてのインターン生の受け入れが決まった時はとてもうれしかったです。当時の日本人インターン生も、中国でのインターンシップや中国人メンバーとの交流を楽しんでおり、彼らの価値観や人生にいい影響を与えられていたなら大変うれしいと思います。
 2014年には天津南開大学支部の設立10周年記念式典にも出席することができました。2004年にゼロから始まった支部でしたが、今では中国大陸支部代表を輩出する支部にまで発展しており、大変感慨深く感じました。

2014年アイセック中国天津南開大学支部10周年式典にて、当時の中国大陸支部代表 (右)と。アイセックの作成したTシャツには、I am still an AIESECerと書かれています。

2014年アイセック中国天津南開大学支部10周年式典にて、当時の中国大陸支部代表 (右)と。
アイセックの作成したTシャツには、I am still an AIESECerと書かれています。

2005年に北京と天津にて中国スタディツアーを自ら企画。天津にて日中のアイセックメンバーと。

2005年に北京と天津にて中国スタディツアーを自ら企画。天津にて日中のアイセックメンバーと。

 

——アイセックで活動した中で活きた経験はありますか。

 これもたくさんありますが、外国人の方と協力して何かをするのに躊躇しないことは経験が生きていると思います。外国人の方と一緒に仕事をするのは日本人同士よりも難易度は高いですが、海外市場へのチャレンジや優秀な人との出会いを楽しんで働くことができています。

——現在の会社を選ばれたきっかけを教えてください。

 日本の製品を世界で売るという仕事に関心があったため、メーカーや商社を志望していました。当時、弊社は海外売上比率を高めるという目標を掲げており、それが私の希望にもマッチしており、そこに貢献したいという思いがあり就職を決めました。日本の製品を海外に展開したいと思ったのは、アイセックの教育系インターンシップでポーランドに行った経験が大きかったですね。ポーランドでは、意外と日本の製品やブランドが認知されていて、それをとても誇りに感じました。日本の製品で海外の人々の生活が豊かになる、幸せになることはすばらしいと思いましたし、私も日本人として日本のプレゼンスを高められるような仕事に貢献したいと感じました。産業や会社の方針によって異なると思いますが、私が弊社で担当したことのある監視カメラの部門でも産業用ソフトウェアの部門でも、海外市場がビジネス戦略で欠かせない存在でした。海外とのビジネスで活躍できる人材が求められている業界や企業は多いと思います。

——中国と日本におけるビジネスで何か異なる点はありますか。

 中国ではスピードが重視されますね。中国では、決定権のある人がその場で判断して決めていくという場面に立ち会うことが多いです。中国は市場の変化が早いのでモデルチェンジも早いです。中国では、最初に出てくる製品は機能や品質がベストでないこともありますが、まず市場に出し顧客の声を聞いて、改善点を反映させて次の製品を出すことで製品を成長させていくという傾向があります。世界で台頭していくにはスピード感を持って仕事をすることが重要だと思いますので、ビジネス環境の変化に迅速に対応している中国の姿勢からも学ぶことが多くありますね。

——現在のお仕事についてお聞かせください。またお仕事のやりがいはなんですか。

 現在は工場向けの生産管理のソフトウェアを担当しています。この製品は日本で高いシェアを誇る製品なのですが、中国ではどの市場をターゲットにし、どのように仕様を変えていくのかを検討します。また、どうやってお客様に届けるか、代理店やパートナーの戦略や事業収支についても検討します。
入社1年目は監視カメラの国内営業を担当し、2年目から海外営業を担当させていただけることになりました。思いもよらない製品を担当することになりましたが、やってみると興味深く、世界が広がっていくような感じがしました。やはり、自分の働きによって少しでも結果が出て、成果に繋がっていくことを実感できるのはうれしく感じます。

——お仕事をする中で心がけていることはなんですか。

 相手への敬意が重要だと感じています。会社では様々な人と仕事をするので、誰に対しても敬意を持って謙虚に働くことが必要だと、自分の反省も含めて思います。

——今後の展望をお聞かせください。

 中国で5年間お仕事をさせていただいて、様々な業務を経験し、40以上の都市を訪れました。中国でのビジネスについてたくさん学び、失敗もたくさん経験しました。今後は自分のステップアップのためにも、中国だけでなくグローバルに活躍できる人材、どの国でも成果が出せる人になりたいです。

——グローバルに活躍したいと思う強い気持ちの根底にあるのは何ですか。

 好奇心の強さと、日本人として社会や日本の役に立ちたいという思いが根底にあるのだと思います。元々英語が好きで、いろいろな国の人と友達になりたいと思って英米文学科に入学しました。当初はビジネスにはあまり関連づけていませんでしたが、日本の良い製品を海外に広めることで海外の人々の役に立つだけでなく、日本が元気になるとうれしいと思います。

——岡本さんの考えるリーダーシップとはどのようなものですか。

 いろいろなタイプのリーダーがいると思っており、自分に合ったリーダーシップを見つけるのが一番いいのかなと思っています。自分の個性を活かしてどのようなリーダーシップを発揮できるかが大事だと思います。仕事をする上で、管理職やプロジェクトリーダーなどのポジションについていなくても、関係者をまとめたり、ビジネスを動かしたりしていくことが求められるので、誰しもにリーダーシップが必要であり、リーダーシップを発揮していかないといけないと思います。

——学生に向けてメッセージをお願いします。

 私がアイセックに入会した当初は、知識も経験も少なく未熟でしたが、自分の夢ややりたいことを見つけて、地道に、本当に地道に努力することで、海外で働くという夢が叶いました。皆さんも、これから辛いことや大変なことがあるかと思いますが、夢や希望を忘れずに地道に頑張ってほしいと思います。

2018.11.24